朝の森で、上空から「ピーー!」というノスリの声。先日、巣のある松が枯れてしまったために伐採されたばかりです。ヒナがいたはずですが、おそらくもう巣立ちはしていたのでしょう。鳴いていたのは、そのヒナかもしれません。
すると、「カララ、カララ」というカラスの声。ハシブトガラスが怒っています。それに応えるようにトビの声。カラスとトビが闘っているのか、それともノスリも加わってみつどもえの空中戦なのか。
もともとカラスは猛禽類を見ると必ず追いかけてケンカを売るのですが、今回は興奮の度合いが違います。さっきカラスのヒナらしい羽が散乱しているのを見たばかり。猛禽類に襲われたのでしょう。このニュースが近所のカラスに広まり、戦闘態勢に入ってしあったのかもしれません。yとくあるからかいや小競り合いではない、命がけの戦いになってしまったのかも。
しかしその争いは、森の上空で行われていて、森の中からは見えないのです。そして、ガサガサという足音をたてて、リスの子どもたちが2~3匹、松の木を降りてきて、木の葉をかじってみたり、私たちを観察しに近寄ってきたりしています。(大人のリスは音をたてずに木を上り下りできるのですが、この時期の子どものリスは、足音を消すことができません。今年初めて見る、リスの子どもたちでした。)
リスにとっては、カラスや猛禽類は天敵ですから、こんなときは隠れていた方がいいのに。因みに、リスも小鳥の巣から卵を盗むことがあり、親鳥を怒らせます。シジュウカラの言葉を研究している鈴木先生によれば、リスもシジュウカラなどの言葉を理解しているらしいとか。
その日の夕方、もう一度散歩していると、5時過ぎの薄暗い森の中で、黒く見える鳥がいました。キジバトかと思いましたが、少しちがうようなので、なんとか撮りました。朝鳴いていたツツドリかと思ったのですが、ツツドリはホトトギスやカッコウと見分けがつかないほど似ていて、こんなに黒くはないようです。でも、托卵鳥の雰囲気が農耕なので、ネットでジュウイチを検索すると、これが大当たり。深い森に住むジュウイチでした。おかしな名前は、鳴き声が「ジュウイチイ」と繰り返すからで、これが謎とされる呼子鳥の正体ではないかと、以前書いたことがあります。
翌日、せっせと樹皮をはいで繊維を口に詰め込んでいるリスがいました。この時期のリスは毛替わりでボロボロに見えます。これから気温が下がることを予知して、ねぐらの保温を強化しようとしているのかもしれません。