東京の樹木は紅葉しないと思っていた
今年の紅葉はいかに?と鳥海山の林道を車で登ってみました。 しかし、まだ早かったのか、それとも今年は紅葉しないのか、くすんだ赤といえなくもないヤマウルシやイタヤカエデが少しだけ、少し黄色くなったミネカエデも少しだけ。あとは、枯れた緑か褐色になっていました。 猛暑のせいなのだろうと思います。紅葉は適度な晴れと朝夕の気温の高低差があって進むのだそうで、今年のような過酷な熱波ではダメなのかもしれません。 そういえば、ブナは年によって赤くなったり黄色くなったりするようです。しかし、今年は茶色くなって終わるのかもしれません。以前、虫の食害で茶色くなった年がありましたが。
通っていた東京の小学校の裏門近くに大きなイチョウがあって、毎年黄色く色づきました。女の子がその葉を集めて輪ゴムで束ね、造花のようなものを作って遊んでいたことを思い出します。 でも、家の前のプラタナス並木は茶色く変色して落ち、環状6号線(山手通り)のアカシアも緑のままの葉を落としていました。 60年代になると、東京では木が紅葉しないことが時々ニュースになりました。銀座の柳は夏に緑色のまま落葉するとか、神宮外苑のイチョウ並木も黄色くならないとか。 特に武蔵野名物のケヤキの木の葉は茶色くなって落ちるので、ケヤキは紅葉しないものだと思い込んで大人になったほどです。東京で紅葉が見られないのは、実は大気汚染の影響だったらしいのですが。 定年直前、異動した職場の正門前は坂道で、アキニレという木の並木がありました。北海道で人気のハルニレやケヤキと同じニレ科の木です。それが紅葉したのを見て驚いたのです。しかも、木ごとに色あいが異なり、赤、茶、黄色と個性的なのです。カーブした坂道を縁取る並木が点描画のようでした。 酒田に移住すると、こちらのケヤキは東京近郊とは枝ぶりが違い、細枝まで曲がりくねっています。強い寒風にさらされているためでしょう。また、郊外の新しい街並みには若いケヤキ並木があります。これらがいっせいに紅葉し始めるのですが、アキニレと同じようにやはり個性的な紅葉です。やはり、気温の高低差が大きいと紅葉が見ごとになるようです。今年はどうなるのか? ところで、ぼくが東京都民でなくなったのは1071年3月ですから、それ以来、東京の紅葉事情を知りません。横浜のアキニレのように、東京も大気汚染が解消してケヤキが紅葉し、銀座のヤナギが黄色くなっているのかどうか確かめることができませんが、きっと状況はよくなっているのだろうと思います。外苑、つまり表参道のイチョウの紅葉は報道などで見ますから。
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