左に白いヒゲが1本だけある雄のリスくん。あいかわらず、私たちを待っていたかのように1本のクルミの古木で会うことが多く、しかも他のリスのようにそそくさと立ち去ることはせず、パフォーマンスを見せてくれます。
たとえば、割ろうとしてかじっていたクルミをわざとのように落として地面に降り、別のクルミを拾って元の場所にもどったり、わざわざ逆さになってクルミをかじったり。
先日は、雌を見つけて近寄っていき、互いに木の幹を螺旋上に走る鬼ごっこをして、そのまま雌を追っていくのかと思ったら戻ってきました。因みに冬の鬼ごっこはリスにとっては婚活デートです。
戻ってきても、枯れ枝の先端で危なっかしくクルミを食べたり、目の前の横枝でくつろいだり。見ている人間を意識しているとしか思えないパフォーマンスを繰りひろげます。
ところで、最近マスコミを賑わすパーティー券、略してパー券という言葉を久しぶりに聞きました。初めて聞いたのは東京の中学生のころ。「街角で知らない人から『パーティー券を買ってくれ』などと言われても、決して買ってはいけない。」というものでした。暴力団などが金稼ぎに売るもので、実際にはパーティーなどないし、あったとしてもノコノコ行けば大変なことになるぞ」と。
横浜の中学校の教員になると、生徒指導担当の教員から同じことを言われました。
「暴力団などが資金稼ぎにパー券を売っているらしいので、本校の生徒が巻き込まれないように、しっかり指導してください。」
「パー券といえば暴力団」と刷り込まれているので、国の命運を左右する天下の政治家が、まさか同じ手口で、同じ言葉を使って資金稼ぎをしているとは知りませんでした。いえ嘘です。うすうす知っていましたが、こんなにも堂々とやっていたのかと呆れた次第です。
政治資金規正法というのが出来て、政治家が企業や個人から献金してもらうことに厳しい縛りがかかったので、それを逃れるための手段に悪知恵を働かせたのでしょうか。
ニュースで見ると、「パーティー」と言っているのに教室のように机が並んでいて、瓶ビールで乾杯している……政治家のパーティーってそんない安っぽいものなのか? パー券って1枚いくらなのかな?
そして、疑惑を持たれた人物の言い訳の空疎で、白々しいこと。記者を「お前ら馬鹿か」と言った議員もいましたね。馬鹿にされているのは質問している野党議員でも、マスコミの記者でもなく、彼らを国会に送った私たちなのだと思うと、直接辞めさせる手段がないことにいらだちます。
また、COP28に関してこんな記事が。「アメリカ政府は気温の上昇を1.5度に抑えるためとして、2050年までに世界の原子力発電所の発電容量を3倍に増やすことを目指すとする宣言を発表し、日本を含む20か国以上が賛同しました。」
日本が賛同したとはっきり書いてあります。2011年の福島の事故で、原発は最終的に廃炉にするという方向が出されていたのに、安倍政権が復活するや勝手に反故にしてしまいました。そして今に至るまで、原発はより積極的な推進の方向に向かっています。
国全体にも「政府が安全と言うのだから大丈夫なのだろう」というようなムードが浸透してきているようです。13年前のあの恐怖を、もう忘れてしまったのでしょうか。首都圏には、ここ酒田よりも多くの放射性物質が降ったのに。
酒田では毎年5月ごろ、松の花粉が降ります。雨が降ると、それが雨水と一緒に流れ、地面に黄色いマーブル模様ができます。黄色の濃い部分がホットスポットというわけです。
木や草の葉にも、車にも、黄色い汚れがべったりとはりつき、水を流したぐらいではなくなりません。もしも、放射性物質が目に見えたらあのように見えるのでしょう。見えないから、ないことにして忘れることもできたのでしょう。
でも私たちは、毎年松の花粉の季節になると、「降り注ぐ放射能」を連想して身震いするのですが。
選挙で選ばれた政治家の多くが原発推進派だとしても、はっきり議論されて決まった方向性ではないはずです。安倍政権からじわじわと慣らされてここまで来ました。「煮ガエル」のように。こんなに大事なこと、勝手に決めるなよ!