酒田に移住して元松林(今は松を主体とした雑木林)の散歩が日課になったばかりのころ、きれいに割れたクルミの殻を見て、リスが生息していることを確信したのですが、実物のリスはなかなか見ることができませんでした。
今では、ほぼ毎日リスに会います。理由はもちろん、私たちがコツをつかんだことによるのでしょうが、リスの数もたぶん増えています。彼らが自分たちでクルミの木を植林した結果なのだと思います。
松枯れの蔓延で松の古木が伐採され、見つけやすくなったこともあるでしょう。でも、ニホンリスを含むキタリスの仲間は、針葉樹のある森に住むのだそうで、松枯れは彼らにも将来の不安の種です。
毎日のようにリスに会っていると、顔見知りのリスもできます。向こうも慣れてくるのか、素早く逃げ去るのではなく、そのまま食事を続けたり、気にしないでクルミ探しをしたりといった、ふだんの活動を見せてくれたり、なかには戻ってきて、こちらを観察するような行動をとることさえあります。
しかしリスはみな同じ顔。見る角度では同じリスでも表情が変わるし、識別はほんとうに困難。リスは縄張りを持つ動物なので、出会うエリアがあり、エリアによって覚えることもありあす。
しかし、別のエリアで見たので別のリスだと思っていたのに、写真を見ると、同じ特徴(ヒゲの色や傷)があって同じリスではないかと疑いが生じることもあります。
時々話題にする「白ヒゲのじいさん」は、その点わかりやすい特徴があります。ヒゲが全部白いことと、左の耳がギザギザなことです。尾の先もちぎれているのかも。かなり高齢(といってもリスの寿命はわかりませんが。)らしく、目の前で木から落ちて心配したこともありますが、その年を境に元気に復活しています。今朝は、大きな松の梢で、恋ダンスというか、鬼ごっこをしていた数匹の1匹が、この「じいさん」でした。
かなり広い縄張りを持ち、そこで生まれる新生児は彼の子ではないかと疑っているくらいです。なにしろ、このエリア内のリスにはヒゲに特徴がある個体が多いので。
1本だけ白いとか、片側だけ白いとか、白くて縮れたヒゲだとか。
とまあ、そんな元気な爺さんの恋ダンスの姿です。