2日前、ウグイスの初鳴きを聞きました。私たちが藪に沿って歩いている時でしたので、おそらく「ここには来ないで」と言ったのでしょう。山道でも、他人が近づくと「ケキョケキョ」と鳴くので、警告の声だとわかっています。藪を透かして見ると、枝移りしながら鳴いている黒い影が見えました。それにしても、初鳴きのウグイスの歌の下手なこと。
この森は渡り鳥たちが通る「道の駅」なので、そろそろかなと期待しているのですが、あまりの荒れように、旅する鳥がやってくるのか心配でもあります。旅をしない留鳥たちも、春を迎えて活発になるころ、休日にはカメラマンの姿も増えました。
まず、留鳥のヤマガラ。冬はシジュウカラたちと同じ群れでなかよく行動していたのですが。
今日、カメラを向けていたら、先日と同じように、どこからかクルミを持ってきました。足で運ぶのではなく、口にくわえていました。リスの食べ残しを見つけてきたようです。(車に轢かれたクルミにも集まってくるのですが、まさか車が通るところにクルミを置いたりはしないでしょう。でももしそんな行動があったら、小さな大発見ですが。)
ピントがぼけていますがルリビタキ。これも留鳥です。雄は背中が明るい水色になります。これは雌か、それとも雄の若鳥か?目が大きくて丸いのがヒタキ類の特徴ですが、ルリビタキは雌や若鳥も尾の根本あたりがやや青みがかっています。
ついに最初の旅鳥です。松の梢にオレンジ色の鳥が群がっていました。くちばしの先が細く鈎型に曲がっていて、上下が食い違っています。「イスカの嘴(はし)の食い違い」と言われるあのイスカです。
松ぼっくりから松の実をほじくり出して食べるのに都合よく進化したのですね。オレンジ色は雄で、今日見たのは雄の群れだというわけです。
因みに、地名のアスカ(飛鳥・明日香)はイスカのこと、イカルガ(斑鳩)はイカルのことだと、学生時代に上代文学の先生から聞きました。古代日本では鳥をトーテムとして崇めたのではないかと。人名にも鳥の名が使われているとのことでした。ハヤブサワケ(隼)、オオサザキノミコト(サザキ=ミソサザイ)、この2つの例しか思いつきませんが。
毎年やってくるジョウビタキは、今年も見られるのかな?