チョウらしいものがヒラヒラと飛んできてこのあたりにとまったのですが。チョウチョくん、どこですか?
すると倒木の上の枯れ葉のようなものがチラリと動いて、蛍光を発するような青い色が見えました。
ルリタテハです。写真では青い色がよく出ていません。デジタルカメラには苦手な色があるらしく、チョウの翅の微妙な色合いも苦手なようなのです。
ルリタテハは翅を大きく広げたまま動かなくなりました。朝の気温が10℃ぐらいなので、太陽の光を集めて体を暖める必要があるのでしょう。
子どものころは図鑑でしか見たことがない憧れのチョウの一つでした。でも、このあたりでは春先、見かけます。成虫で越冬するチョウです。幼虫は、森にあるサルトリイバラというトゲのあるつる性の植物を食べます。ホトトギスも食べます。幼虫はとげのある毛虫で、葉の裏側に渦巻状に丸まってトゲを立てています。ハリネズミの戦法ですね。我が家にもホトトギスがあり、このチョウが産卵するので、幼虫を室内に招待して羽化させることもあります。
さて、連休前半が終わりました。今朝4月30日、いつものように森にでかけると、ゴミが散乱しているところがありました。コンビニ弁などの汚れた容器数人分、ソースの容器などが、破れたレジ袋から散乱しています。
オーバーツーリズム? インバウンド?
いやいや、ここは観光客が来るようなところではありません。おそらく酒田市を離れて進学や就職をした人たちが帰省し、集まって過ごしたのでしょう。近くにはデイキャンプ場もあり、山形県発祥の「芋煮会」ができるので、地元の人には暗黙の了解で集まれる。
途中、コンビニで食べ物を買い入れ、車で乗りつけて楽しんだのだと思われます。飲酒の形跡がないことは褒めてあげよう。
きっとゴミもレジ袋にまとめて、どこか目立たないところに置いたのでしょう。しかし、動物の死骸などをかたづけることが生業のカラスが見つけて散らかしたのだと思います。若者たちのささやかな良心など、何の役にも立たなかったというわけです。カラスには死骸とゴミの区別はできません。獲物は食い破る、それがむずかしい時はくわえて飛び上がり上から落として壊す。それがカラスの生き方です。あるいは、キツネやタヌキかもしれません。熊でなくてよかった。熊は味をしめると何度もやってきます。人がいれば人に近づき、攻撃することもある。去年は熊が市内に出没したので、あり得る話です。
そして、なにより情けないのは、この街で生まれ育った人が帰省してきて無造作にここにゴミを放置する神経です。この森は酒田市民の自慢の森なのに。
酒田湊は砂丘の上の町です。飛砂や地吹雪、強風から町を守ろうと、商人が私財をなげうって松を植林し、砂丘を緑の森に変えたことから、「交易」という思想が生まれたのだと、市民が誇る森です。ラーメンで観光客を誘致できるとは思わないけれど、松林は観光の目玉にするべきだと、一介のよそ者にすぎないぼくも思います。
たまたま森を荒れるにまかせ、雑木が侵入することを許した結果、今のように野鳥やリスなどの動物たちが住む混合林なりました。この環境をまるごと保護し、市民の誇れる森にするべきではないでしょうか。