食事中のリスに出会ったら、できれば食べ終えるまで待つことにしています。
別にリスに遠慮しているというわけではなく、「食事するリス」という写真に飽きてしまったのです。いつも「これぞリス」という決まりきったポーズだし、たいていこちらより高い位置にいるリスを斜め下から見上げた顔は、個人的にはあまりかわいくないし。
でも、食べ終わったリスは、まず体のあちこちを掻いたり毛づくろいしたり、あくびといっしょに伸びをしたりして、そんなとき予想外の表情やポーズが撮れるかもしれない。
で、重いカメラを抱えて待った甲斐あって撮ったこの写真、どこか見覚えがあります。
それで、ちょっと前の写真を探したら、ほぼ同じポーズの写真がみつかりました。
しかもこの2枚は同一人物、いや同一個体です。白いヒゲの数、胸に見える乳房らしい茶色。(子どもの姿がみえないけれど母親なのでしょう。)
このリスはこちらを見覚えていて、いつも近い場所、時には同じクルミの木にいて、まるで私たちを待っていたのかと思うことがあるほどです。
ところで、このリスがいるエリアには、白いヒゲのあるリスが増えているという声が、他のカメラマンからもあがりました。白いヒゲはリスとしては多数派でないので、遺伝したものではないかと思います。そして彼らの父親だと思うのが、例の「白ヒゲのじいさん」。この高齢のリスは、昨日も3メートルの距離で悠々とクルミをかじっていました。他のリスに比べると警戒感が少なく、気づかずに通り過ぎると挨拶するように声を出すリスです。
この日はレンズの倍率を最大にしてみました。トリミングなしでこれほど近い写真が撮れました。頬ヒゲのすべてが白いことと右耳がギザギザなことが識別のポイントです。だれと闘ったのでしょうか?