ここは山形県桶屋町
はて、そんな町があったっけ? それがあるんです。私が住む町のことです。ここは中世以来の商都。西の堺、北の酒田と言われることもある酒田市です。 しかし今では町の中心部はシャッター街、少子高齢化の波をまともに受けて絶滅が危惧されます。しかし人々は景気回復にはかない夢をつないでいるところ。頼りは自民党の経済政策。日々のなりわいが成り立つのも東京の政治のおかげというあなた任せが抜けきらずに、口を開けてトリクルダウン、つまりおこぼれを待っている。 「いい風が吹いてこないかなあ。風が吹けば桶屋が儲かるというからなあ。」
さて、この町の数少ない若者たちは? 町の数少ない本屋さん、たくさんあるパチンコ店、スーパーマーケットや郊外型ショッピングモール、なぜか昼間から若者が目立ちます。仕事がないのでしょう。無職や夜勤の人たちが昼間の時間をつぶしているのです。 「自衛隊に入る?」などと話し合っている高校生もいます。就活の選択肢に自衛隊の占める位置が大きくなってきています。 独裁的な首相は「苦役を強いる徴兵制は憲法が禁じていてあり得ない」と言っています。そもそも強引な憲法解釈の変更を強行し、平気でウソがつける彼を信じることはできませんが、徴兵制をやめたアメリカでは、貧困層の若者が、高給や奨学金につられて入隊するといいます。「経済的徴兵制」と言われているそうです。これは日本でも起こり得ることです。横浜の中山中学校問題(予備役の自衛隊員である教員が、実弾演習見学に生徒を引率した)など、すでに隊によるリクルート作戦が始まっています。
他人事のようにのどかに風を待っている桶屋町の大将たち。その風は、鉄と血の匂いのまじるきな臭い風かもしれませんよ。そして、ハーメルンの笛吹きのようにあなたの子どもや孫をさらって行ってしまうかも。
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