一服の清涼剤
田園都市線あざみ野駅19時55分発新百合ヶ丘行きのバス。 勤め帰りや買い物帰りの乗客でほぼ満席状態。車内灯の下明るい座席をみつけ本を読みはじめると、後方の座席から携帯の着信音♪うさぎ追いしかの山♪ 選曲からして中高年かな?
案の定、私と同年輩と思われる女性の声「今、バスの中」と言いつつも大きな声で「ねぇ あの人どうかしてるわよ」などと緊急性のなさそうな話が続く。付近の人たちのいらつく様子が伝わってくる。「いい加減にしろよ」「後でかけなおせ!」・・・ そんな雰囲気にお構いなし、話は盛り上がっていく。 その時タイミング良く「携帯電話マナーの向上にご協力ください」と車内放送。よしと思いきや、当人は我かんせずと一向にやめる様子なし。「何て奴なんだ」と思いつつも注意するには席が離れすぎている。 それからいくつかの停留所を過ぎ、ドアが閉まり発車しそうとした瞬間「降ります」と携帯電話当人の声。 車内には「勝手な奴ダ」「さっさと降りろ」と殺伐とした空気・・・。
次の停留所で停止すると、若い女性の大きな声で「ありがとうございました」 ふと顔をあげるとクラブ活動帰りと思われる女子高校生が大きなバックを背負って下車していくところでした。 車内は一転「感心な奴ダ」「今の若者にしては」と和んだ空気に・・・。 それまでギスギスした雰囲気が、一服の清涼剤を得たようでした。
お陰で読んでいた本がちっとも進みませんでしたが。
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