愛用していたスノーブーツが経年劣化して、ブーとツになってしまった。つまりシューズ部分と脚絆(レッグチャップスのような)とに部分が分かれてしまったのだ。捨てるつもりだったけれど、この脚絆部分がどうにも捨てるに忍びない。たしかカナダ製だったと思うのだが、転居以来6回の冬を共に過ごしたブーツだ。
それで、この脚絆の部分を普通の長靴(ながぐつ)にかぶせてみたら見事にぴったり。
どうじゃ!高級スノーブーツに見えるでしょう?しかも普通の長靴はソールが柔らかめだから運転も楽にできる。
参加している男声合唱団のうち、酒田の方は練習会場が歩いて15分のところなので、車は使わず徒歩で行く。先日は、舗装道路の雪は除雪や雪解けでほぼなくなったので安心してスニーカーで行ったら、とんでもないことに。
つまりこういうこと。除雪車は道路の側面に除雪した雪を残して行く。家の入口、カーポートの出入り口、交差点など高い雪の壁に阻まれてしまう。そこで、除雪車が通ると、それらの雪をどけなければならない。除雪車の運転手にくってかかる人もいるほどだ。
なかには、雪の壁をくずして、元の路面にばらまく人もいる。車に轢いてもらって溶かそうとか、路面のぬくもりに頼ろうという魂胆なのだろう。ところが、この溶けかかった水分が夜間、凍結してしまうことがある。一見凍っているように見えないのが最も危険。
母は生前、踏切で転んで足を折り、楽しみな散歩ができなくなってしまった。ぼくは、現役時代、横浜でバイク通勤していたが、珍しく大雪が降った後、やはり路上に広げられ、凍結した雪のせいで転倒した。
生命にかかわるのだ。雪国だけではない。全国どこであろうと、積もった雪を路面に広げて溶かそうなどとしてはいけない。それで事故が起き、死者が出たら「未必の故意」ということになるのではなかろうか。
あまりに腹が立ったから、投書してやろうかと考えたが、ちょっと考えて怯んでしまった。隣でもその隣でも、ちょっと気温がゆるむと、雪の壁を崩して道路に広げている。捨て場がないのだから、気持ちはわかるのだ。こんな状況で実名の投書をする勇気はわいてこない。