初めて見たのは数年前。
クローバーの中に小さな造花のようなかわいい黄色い花。でも造花ではない。やがて道端や庭の片隅でも見かけるようになりました。条件がよいと、花も大きくなるらしく、クローバーの中で見たものより一回りは大きい。今では我が家の周りにもたくさん咲いています。以前は勝手に生えてきたオダマキが消え、スミレが減ったのはそのせいかも。
近所のホームセンターの園芸コーナーにこの花があるのを見た時は驚きました。花の色や形などに変異が出やすく、ミスミソウ(雪割草)と同じように園芸植物としての魅力もあるのでしょうか。名前もわかりました。ヒメリュウキンカ。
リュウキンカといえば、山の渓流などの水辺にあるキンポウゲ科の植物。まだ実際に見たことはないのですが、帰宅して高山植物図鑑で調べると、確かに似ている。特にハート型の葉の形はそっくりです。しかし、花弁(キンポウゲ科ですから厳密には花弁ではないのでしょうが)の数が、リュウキンカは5枚なのに、このヒメリュウキンカは8枚くらいありそうです。なにより、リュウキンカが水辺の植物なのに、ヒメのほうは乾いたところで見かけます。
そう思っていたのですが、去年、近郊の里山に出かけたとき、林道沿いの渓流のほとりに黄色い花を発見。うれしや、初めてのリュウキンカだと思って近づくと花弁が8枚、ヒメのほうらしいのです。こやつ、水にも強いのか! 今に各地の渓流にも分布を広げ、ふつうの山野草になるかもしれません。
道端や空き地、松林など、酒田でも外来の植物を数多く見かけます。首都圏ならもっと多いでしょう。園芸ブームで持ち込まれた種が野生化し、強靭な生命力で分布を広げているものもたくさんありますね。(植物だけではない。ペットブームのあおりで、タランチュラやイグアナなど、とんでもない生き物が各地に生息していると聞きます。)
有害なもの(在来種に脅威となるものを含め)でなければ、目くじらをたてることもないと割り切るべきか、「日本の自然を守れ!」と声高に叫ぶべきか、悩むところではあります。