まず、思い出話から。中学校の修学旅行を引率したときのことです。引率といっても、今ではグループ行動が主流で、それを受け入れる体験学習型の企画(友禅染、念珠作り、着物の着付けなど)がたくさんあるのです。ある女子のグループが、舞妓さんになる体験学習に行ったところ、ロッカールームに戻ったら財布がなくなっていたというのです。彼女たちが女主人に申し入れたら「わたしらに責任ありません。警察でもなんでも行っておくれやす」とケンモホロロだったとのこと。それで、彼女たちもそのまま松原警察署に駆け込んだわけです。その警察署からケータイで連絡があり、引取りに行ったのでした。
行くと、労刑事が相手になってくれて、花街の説明をユーモアたっぷりにしてくれている最中でした。しかし、京都弁と内容の難しさから、ほとんど通じていない様子。そもそも、舞妓というものは若い女性のコスプレだと思っていて、芸姑見習いといことも知らず、そもそ芸姑も芸者も知らないというのです。いやはや。
さて、5月19、20日は酒田祭。日枝神社の山王祭です。
自分が生まれ育った土地でないと、イマイチ気持ちがそそられないのですが、今年は9年ぶりに「花魁道中」が復活するというので、カメラを持ってでかけてみました。ちなみに、会場は町の中心部の中町です。酒田大火で消失し、復興したものの町のにぎわいは取り戻せず、シャッター商店街と化してしまったところでもあります。
酒田は昔、北前船で賑わった港町ですから、いわゆる花街文化があったわけです。町の美容師さんたちが中心になって企画したということでした。
花魁道中とは、花魁が贔屓の客を茶屋まで迎えに行くことを様式化したものですね。先導するのも、傘をさしかけるのも、肩を貸すのも、色街を取り仕切るこわいおあにいさんたちなのですが、あまりにイケメンを取り揃えたので、知らない人は、肩を貸しているおにいさんを、恋人のように思ったかもしれません。それはそれで、平和な時代の美しい誤解なのかも。
というわけで道中のスナップです。ひさしぶりに、たくさんの人出でにぎわっている様子がわかります。
映画などで見たかもしれませんが、花魁が重たい下駄(?)を運ぶための独特の足さばきがあります。それを撮してみました。
帰り道、小さな苗屋さんの店先に、見慣れないものがありました。一瞬、魔女の帽子かと思いましたが、さて何でしょうか?
たぶんこれ、コンニャクの花です。ほら、世界一大きくて臭いという東南アジアのオオコンニャクの花の写真とそっくりでしょう?