早稲田大学春秋会だより 平成24年9月20日
第111回 春秋会秋季大会の案内
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は春秋会の活動にご協力いただきまして厚く御礼申し上げます。下記の通り秋季大会を開催致しますのでご通知申し上げます。なお当日の講演は月刊日本主幹の南丘喜八郎氏を講師に招いてお話を頂きます。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
日 時 : 平成24年11月 4日(日)午前11時より 場 所 : 大隈会館301・302号室 講 演 : 南丘喜八郎氏(月刊日本主幹) 会 費 : 5,000円
また、当日の秋季大会に先立ち、午前10時00分より「紺碧の空」歌碑に献花を行います。お時間のご都合のつく方は大隈会館前「紺碧の空」歌碑前にお集まり下さい。なお、出欠については同封の返信ハガキにて開催一週間前の平成24年10月28日(日)までに返信の程お願いいたします。 お問い合わせは下記まで 早稲田大学春秋会事務局 TEL 045-242-3521 FAX 245-241-8768
~本学旧図書館内の純白の円錐柱について~
過日、当春秋会会員の中島久子氏より、父君中島武一氏について記載されている日本経済新聞が送られてきた。平成24年7月8日と7月15日で4頁にわたり「日本のガウディ今井兼次(1895-1987)」の中に中島武一氏の記事がある。今井兼次氏は同窓出身の早大教授であり、近代建築の名匠である。 又、中島武一氏については、嘗て西原元総長から何回か拝聴して覚えていた。以下、新聞記事をそのまま記載する。
6本の白い円柱が薄暗いロビーに浮かぶ。奥の大階段に天窓から光がさす。柱の間を歩いて近づくと、正面の踊り場の巨大な円形の絵の下半分が見えてくる。雲がたなびいている。階段を昇っていくと、絵の上半分に描かれた日輪が見えてくる。大階段は踊り場から左右に分かれて反転し、2階の閲覧室へと向かう。円みを帯びた天窓から白い空間に光が降り注ぐ。旧早稲田大学図書館。現在の會津八一記念博物館は、今井兼次の初期の代表作である。当時の今井は20年代の日本における表現主義建築運動の一つ「メテオール」(流星)を率いていた。学生時代に何度も上がった階段を踏みしめながら、不思議な感覚にとらわれた。この空間の柔らかさ、温かな感触はどこからくるのだろう。謎を解くカギの一つに6本の柱の制作をめぐる物語がある。 1923年に28歳の若さで図書館の設計を任された今井は、25年10月、図書館長に呼びだされ、1週間後の開館式までの完成を厳命される。今井は遅れていた6本の柱の仕上げを急ぐため、左官の数を増やそうとした。すると、左官の棟梁、中島武一はこてを持つ手をぶるぶるさせ、眼に涙を浮かべて言った。「お願いですから、それだけは止めて下さい!私にとっては一世一代の仕事です」。今井は不明をわび、すべてを中島に委ねた。中島ら2人の左官は以来、寝食を忘れ、ろうそくの灯のもとで働いた。そして6本目の柱が塗りあがる朝、中島は妻と3人の幼子を現場に連れてきた。ござを敷いて、盛装した妻子を座らせ、その前で最後の柱を仕上げた。「実に美しい光景であった」と今井は回想している。今井の仕事を中島の技が支えたように、中島の仕事を妻子の励ましが支えていたのだ。 「一本の柱、一枚の壁も、到底一個人の力で出来るものではない。隠れたる背後の力強い幾人かが常に援けてくれているのだ。いわんや一つの建築が出来上るには幾百人、幾千人、幾百万人の人の力が陰に陽に働いているか解らないのである。地上に形成された建築が何で一個人の作品であり、巧妙であり得よう!それは多くの人の手の、多くの人の魂の共同労作であるのだ」(「魂を打ち込んだ六本の柱」) 今井はそう述懐している。
昔の職人気質の素晴らしさに感動させられる。中島武一氏は他に銀座松屋、上野松坂屋等々の作品を手掛けたが、それぞれ建て替えのため失われ、現在は早稲田だけにあると云う事である。「久子氏曰く…一つでも父の作品が残っている事は幸せです。それも大好きな早稲田に!」
旧早稲田大学図書館(1925年東京都新宿区)左官、中島武一氏が精魂を込めて塗り上げた純白の円錐柱。突き当りの踊り場に見える円形の日本画「明暗」は、横山大観と下村観山の共作。現在は會津八一記念博物館となっている。(小川光治記)
~早慶戦物語~
その前夜、ベランダから月まどかと呼ぶにはいささか心もとないが、真南の真ん中にかすか愁いをふくんだ月を仰ぐことが出来た。両手を合わせ、「お願いします。どうか野球が出来る天候にして下さい。終了後は土砂降りでも嵐でも…」幾度も祈った。 それには深い哀しい理由がある。去年、今年、正月二日、権太坂へ平賀翔太君を信州伊那から応援に来られた親子があった。まったく土地勘もなく、商売のクリーニング店の顧客である翔太君を応援したく、前夜横浜のホテルに宿泊し、タクシーで権太坂へ。春秋会の独占場所へたどりつき、サービス精神オーヴァーな単純一同のそれぞれが、紙の早稲田学帽を被らせ、最前列に並ばせ「翔太!翔太!」の大合唱。ホンの一瞬のことであったが御礼を申して帰ろうとする川手親子を勝っても負けても例年新年祝勝会イタリアンに誘い、打ち解けて四方山話。前年、早稲田十二秒差で優勝。今年も父と息子で来られ大喜びをした。が、息子は本年一月、自ら命を絶った。 それぞれがお慰めの文韻をした。私はすでに優勝確定の早慶戦観戦で心をゆるやかにの想いで伊那へ幾度となく電話をして約束を取り付けた。 五月末日の天気情報は雨降り。二次会場アトレ信濃町ジョン万次郎への予約も雨中止の場合ごめんなさい。毎回使わせてもらう奥の良い場所を押さえてもらう。伊那へ高原幹事長へ、その間に蕪の京漬け、駄菓子、チョコ、キャラメル、煎餅を買いに走る。前夜、東京、川手氏着。当日、土曜日、私は主人の車で信濃町に午前九時着。現役の応援団がさわやかな夏服姿でおしゃべり。こういう小さな幸せが平和と感じる。トイメンのカフェに入る。おしゃれと清潔、香り高い珈琲。 諸江昭雄氏が川手氏へのお土産を持って来られ、改札口前に行く。ラフなスタイルで、それぞれが雨が降らなかったことを喜ぶ。崎陽軒シウマイ弁当を松田三郎新会長代行と高原幹事長が午前八時半横浜駅で購入して、えっちらおっちら持参して下さる。大体時間通りに集合。出席今一は、すでに優勝と各地域においての総会と重なった関係もあるが、しかし伝統の早慶戦前に、各々が工夫して欲しいものである。まあいいか。私は角帽半纏ルックでかすかな光の神宮の森へ。川手氏をはじめ小太刀昌ちゃん、横浜、武蔵野総会へ出なければならない高原、諸江氏、球場入り口まで送って下さる。応援部先輩、石田君チケット、グッズを配布して下さる。 一回の表、Kのホームランに始まり、かつてない疲れが胸をしめる。遠い遠い日の早明戦、秋山、土井のバッテリー九回裏、松岡がサヨナラホームラン打ったじゃあないかと。自分に言い聞かせ、三-〇から打って逆転というところ刺され同点で延長。五-三でゲームセット。それ二次会。ジョン万次郎へ。ビール―ビール―。各々がそれぞれの用件があり、伊那へのバスが六時の由。まず、なにはともかく喉が乾いてデカンタビール。 明日があるさ!まあ実に飲み、喰う。それもお洒落。つまみ豪華絢爛。小太刀昌雄君は初めて参加。正岡文人君、石福仲男君、南隆氏、小高俊久氏、松原邦博氏、川崎大八氏、そして私。ひとりひとりが思い出の早慶戦を語り、早稲田へ何故入ったかという話を細やかに語り、たしかに酒も実に飲んだが、人生を語り酔いしれた。時は早くも過ぎてゆく。明日を約束しJRに乗る。 日曜日は11対3、私は家にいたが、球場から携帯のお知らせ。もう、バランスよくやってくれると思ったり、いいのに何も11点なんて。慶応が三位になったほうがいいなんて太っ腹。 第三日、結局負けたが提灯行列。神宮に行かず稲穂へ直行。 松田三郎会長代行と神宮より駆け付けた諸江昭雄氏と今後の打ち合わせ。男気のある昭雄氏。その次の日は同じく野中信男氏に全面的に協力された。慶応が勝った。と聞いて、良かったと思った。三位に慶応、ホッとした。五位では可哀そう。勝ったり負けたり、それで優勝。これが世の不可思議。いいのだ!いいのだ!。行列は仲々来ない。携帯が鳴る。「今、戸塚!」全然来ない。長谷川御主人がノンアルコールビールをケースごと購入して渡して下さる。 「飲んじゃ駄目!駄目!掛けるのだ!」見えてきた。コーフン。迎えたのははじめて。選手もギャビ、ギャビ。鎌田総長へ目礼。「後藤さ~ん」と叫ぶ。最後尾について、昔の共通教室の前に並び、祝賀会。選手一同の若々しい姿。少しの風に寒くなる。コーフンの中、全日本学生野球優勝も誓うキャプテン。 「紺碧の空」歌いまくる。老婦人とお孫ちゃんに声をかけられる。その「紺碧の空」作詞者の住さんの姪御さんとお嬢さんとお子さんでした。「わあ、わあ、うれしい」一緒に二番まで歌う。 六月十八日、全日本大学野球、早大優勝、零封リレー、吉永選手、冷静な一年生でした。 これこそ、有終の美である。 ありがとう早稲田野球部!おめでとう早稲田野球部! (伊藤哲子記)
~秋の墓参会の再案内~
前号でお知らせいたしましたが、開催直前にまた春秋会だよりの発行となりましたので、再度案内いたします。今回の墓参会は今までと順序を変え、朝一番に護国寺の大隈先生の墓所清掃と墓参を行います。昼食後は雑司ヶ谷霊園へ。その後都電に乗って終点早稲田へとまわります。みなさまの御参加をお待ちしております。
日 時:平成24年9月29日(土)午前10時30分 集合場所:音羽の護国寺入り口の交番前 費 用:2000円(お花、線香、昼食、交通費含む) 申込みは墓参幹事の大石までお願いします。 携帯番号:090-7220-5954 メールアドレス:oishi-kaikei@voice.ocn.ne.jp
平成24年・出陣学徒の会献花式
日 時:平成24年10月21日(日)午前9時00分~ 集合場所:大隈講堂左隣、学生食堂連絡路の右側「平和の碑」前
献花式は、例年通り稲門祭(ホームカミングデー)記念式典に先立ち、総長以下大学関係者出席の下挙行されます。21日は、早稲田大学創立記念日、且つ先の大戦中、昭和18年には東京・明治神宮外苑競技場において出陣学徒壮行会が催された日でもあります。「平和の碑」の前で、戦火に斃れた尊い先輩の霊を慰め、思ひを新たにしようではありませんか。 連絡先 諸江昭雄幹事長代理 080-1060-7291 秋季東京六大学野球・早慶戦の応援 学生応援席にて応援、試合後は希望者による懇親会を信濃町駅前「ジョン万次郎」で開催予定。 日 時:平成24年10月27日(土)午前10時00分集合 集合場所:JR線 信濃町改札口前 会 費:2,000円(入場料・弁当代・応援用具代) 応援参加希望者は10月19日(金)までに下記のいずれかにお申し込み下さい。 早稲田大学春秋会事務局 TEL 045-242-3521 FAX 245-241-8768 高原孝幹事長 090-4948-7309
中野正剛先生ご命日(10月27日)墓参のご案内
中野正剛先生「天下一人を以て興れ」の精神を説き、厳しい言論弾圧のもと戦時中、東条軍事政権と戦った偉大なる言行一致の哲人、政治家中野正剛先生の命日に例年通りご家族と一緒に墓参を行います。 日 時:平成24年10月27日(土)午前10時00分集合(時間厳守) 集合場所:京王線 多磨霊園駅改札口前 参加希望者は10月17日(日)までに下記のいずれかにお申し込み下さい。 早稲田大学春秋会事務局 TEL 045-242-3521 FAX 245-241-8768 松田三郎会長代行 090-2915-6163
諸江昭雄氏所蔵であった中野正剛先生真筆の掛け軸は我が春秋会を通して、母校早稲田大学に寄贈され、揮毫は「獅子は独り往き、群居を求めず」という素晴らしい掛け軸で平成22年、大隈タワー10Fで一般公開されました。
関東大学ラグビー・早慶戦の応援
日 時:平成24年11月23日(金祝)午後2時00分キックオフ 会 場:秩父宮ラグビー場 会 費:2,000円(指定席入場料)
チケット確保の都合上、先着15名限定です。試合終了後、信濃町駅前「ジョン万次郎」にて希望者で懇親会を開催予定。応援参加希望者は下記のいずれかにお申し込み下さい。 早稲田大学春秋会事務局 TEL 045-242-3521 FAX 245-241-8768 高原孝幹事長 090-4948-7309
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